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市長と議員はこんなに違う!選挙の基本を学ぼう

「市議会議員ってなにしてるの?」
「市長と何がちがうの?」

4年に一度行われる市議会議員選挙。

私たちの暮らしの行く末を決める大事なものだということはわかりますが、そもそも議員とはどんな仕事なのでしょう。
同じく選挙で決める市長との違いは?

私たちが働いて納めた税金をどう使ってもらうか、その意思表示をするのが選挙です。

まずは市議会議員とは何なのか。市長とはどう違うのかを一緒に学んでいきましょう。

*便宜的に「市議会議員」「市長」と表現していますが、町村・都道府県でも仕組みは同様です。

市民全員での話し合いはムリ!

私たちが働いて市や県などに納めた税金は、まちづくりなど住民皆のために使われます。

住民から集めた大切なお金を、公平かつ正しく使ってもらうためには話し合いが必要です。
その話し合いの場が議会です。

本当は、市民全員が集まって話し合えればいいのですが、数万もの人が会議場に入ることはできません。

そこで、私たちは代わりに話し合いをしてくれる代表者を選ぶのです。
その代表者が議員(市町村議会議員、県議会議員など)であり、その選ぶ方法が選挙ということです。

自分の考えに近い人を議員に選んで、地方議会で意見を代弁してもらうことで、私たちが望む公的サービスが実現する可能性が高くなります。

議会で決めて、役所が使う

税金の使いみちは、市町村・都道府県が提案し、議会が承認することで正式決定されます。

地方自治体は、行政職員などで構成される「執行機関」と、住民から選挙で選ばれた議員で構成される「議会」で成り立っています。

議会で話し合い、そこで得られた承認を基に事業を執り行うので、いわゆる役所・役場は「執行機関」と呼ばれます。

議会で認めてもらう必要があるとはいえ、事業内容や予算の素案を考えるのは執行機関であり、ある程度の決定権も与えられています。
事業や予算などに関する大半の業務を日常的に行うのは執行機関であり、また、すべてのお金の使いみちを逐一チェックすることは事実上不可能だからです。

その執行機関のトップが市長など「首長」といわれる執行機関の代表者です。
首長も私たち住民が選挙で選びます。

議員は市長をチェックするのが仕事

そもそもどうして市長(首長)と議員という2つの「代表者」がいるのでしょうか。

それは、権力が1カ所に集中するのを防ぐためです。

権力は、一つのところに集中すると濫用される可能性があることを、私たちは歴史から学んできました。

そのため、税金を集め、保管し、使うまでのすべてを任されている執行機関を、住民の代表である議会がチェックする形を取っているのです。

それでは市長と議員それぞれの代表的な権限をみていきましょう。

執行機関(行政機関)の長の権限

・お金(税金)の使い方を提案します。
(議会での議決権はありません)
・行政の長にはある程度の決定権があります。

議会議員(住民の代表)の権限

・自分たちが納めたお金(税金)の使いみちを決めるための話し合い(議会)に参加できます。
・その議会において議決権を持ちます。

行政機関がやらなければならない仕事は部署ごとにたくさんあります。
それら1つ1つを細かくチェックするのは困難です。

そのため、執行機関の長には議決権がないものの、ある程度の決定権が与えられています。
議会議員は執行機関の仕事をチェックし、納めた税金が適切に使われているかどうかを議会の場で話し合います。

もう一つ決定的に違うのは、議員は自治体に数十人いますが、市長は一人しかいないということです。

議会としての意思表示をするには、議員は過半数の意見が必要ですが、市長は一人だけで一定程度の決定権を持っています。

権力の強さが決定的に違うのです。

そこで、市長に権力が集中しないよう、市民の代表である議員は執行機関を監視・チェックするという大きな役割が期待されています。

一番偉いのは市民

「地方自治は民主主義の学校」という言葉があります。
これは、住民一人一人が意思表示をし、話し合いを重ねることで、地域全体を良くしていこうという考え方によるものです。

まちづくりの主役は、その地域で暮らす住民です。
市と住民の二本柱がしっかりかみ合って、初めて地方自治はうまく動くのです。

そんな私たちの声を代弁し、話し合ってもらう役割を担うのが市議会議員なのです。

【参考】
野村憲一「いちばんやさしい地方議会の本」(学陽書房)

Lihui(リーフェイ)
この記事を書いた人
面白い事、楽しい事が大好きな元観光業職員。 最上郡内のイベントに遊びに行ったり、ワークブースでの出店・書道作品の展示をしています。
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